ケアマネと利用者の「家族」の関係~ケアマネが実際に困った家族とは?

手を取り合う

ケアマネの仕事をしている上で、もちろん利用者さんとの関係はもちろん大切ですが、家族との関係も仕事をしていく上では重要です。

時には利用者さんの家族というのはとても厄介な場合があります。失礼な言い方になってしまいましたが、印象に残る家族さんが多かったのも事実です。

この記事では、その中でも強烈に印象に残っている家族についてお話しします。

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■後悔することが一番つらい

例えば、同居して常時介護にあたっている家族は誰よりも利用者さんのことを把握しておられています。正しい知識を取得し、介護に活かしておられる家族が大半です。

しかし稀に持論が正しいと思い込み、突っ走ってしまう家族がおられるのも事実です。

この利用者さんは、寝たきりの利用者さんでした。食事もチューブで経管栄養をしておられる方でしたが、ふとんで寝ておられました。ベッドだとオムツが替えにくいと家族さんは主張されていたのです。

しかし、オムツ交換もベッドを利用することで、介助者の身長に合わせることができますし、ましてこの方は経管栄養をしていたので、注入をする時には坐位になっていただく必要があります。その時は寝室の横にあるリビングまで上体を抱えて引きずり、食卓の椅子まで抱えて座位にしていました。

その方の体型は小太りでしたが、かなりの負担がありました。高齢の家族さんが行うには大変負担になると考えますが、この家族さんは一歩も譲りません。

痰がゴロゴロと出せなかったり、経管栄養の逆流も考えられるので、ベッドを利用して頭元は少しギャッジを上げておくことが必要なのですが、これについても否定され受け入れはしてもらえませんでした。

利用者である旦那様を献身的に介護し、とても大切にされているのですが、なぜ受け入れもらえなかったのか、今でもわかりません。

結局、この利用者さんは朝家族さんが起きた時に亡くなっておられました。痰か逆流した注入液で窒息されたのではないかと考えられます。

こんな時、「もっと説得していれば…」とこの利用者さんに携わったスタッフはみんな後悔をしました。同じ最期を迎えるにしても、この時にこうやっておけば、もっと違う最期が迎えられたのではないかと後悔することがケアマネの仕事をしていて、もっともつらく、落ち込んでしまうことです。

■持論を正しいと思い込みすぎる弊害

また、違う家族さんのお話です。その利用者さんはパーキンソン病でした。ところがご家族はその方に「動かなくなると、動けなくなる」と言って、ほぼ強引にポータブルトイレでの排泄を行っておられました。座位も不安定な状態で足の支持力もなく、手も変形していて、手すりを持つことができない状況なのに、です。

何十年間も介護にあたっておられ、そうすることで今の現状が維持できていると思い込んでおられるのようで、ヘルパーさんを利用された時にも排泄介助を希望されていました。

ポータブルトイレに移動してもオムツに排泄されているので、ほとんど排尿されることはありません。利用者さんご本人もヘルパーさんも大変なだけでした。

このご家族はそれ以外にも、仕事に出て不在といいながら、自宅におられ、ヘルパーさんの介助の仕方にクレームをつけたり、ダメ出ししたりされるのです。長年介護にあたっておられたので、その経験を活かして介護福祉士の資格もとっておられ、気になるのはわかるのですが…

ヘルパーさんには、「インフルエンザが流行するときには、マスクをするように」と注意されるのですが、いつも家族さんがどっかから風邪をもらってきては利用者さんに感染させてしまい、利用者さんの方が重症になっています。他人には注意ができるのに、自分の自己管理については無防備なのです。

そして、室温についても自分の心地良い室温にされるので、利用者さんはいつも大汗をかいておられます。エアコンも壊れていると言って、この暑い夏にケーキ屋さんでケーキの購入時についてくる保冷材を首に巻いて、暑さをしのいでいます。

利用者さんの過ごしやすい環境について説明をしても、一向に聞き入れてもらえません。現在、この利用者さんは家族さんの夏風邪をもらい、肺炎になったため入院されています。

在宅で生活をするにあたっては、病院と違って工夫をしなければならないこともあり、それぞれ自己流でやっておられることも多いです。しかし、持論を正しいと思い込み、他人の意見に耳を傾けることができない家族さんには、私たちケアマネだけでなく、関わっているスタッフ全員が困ってしまうのも事実です。