「介護保険法」の縛り~今後、在宅生活は継続できるのか?

笑顔の介護士

介護保険で訪問介護いわゆるヘルパーさんを利用する場合には、できることとできないことがあります。一人暮らしで生活されている利用者さんにとっては、全て必要なことなのですが、認められていません。国は施設での生活ではなく、自宅での生活を推奨しているのにもかかわらず、介護保険法の縛りによって、施設での生活を勧めているという矛盾が起きているのです。

今回も、具体的な例をあげてご説明していきましょう。

 

笑顔の介護士

■「同居家族」とは?

同居家族がいる家庭では原則、生活援助のサービスは受けられません。いわゆる掃除、洗濯、調理、買物です。

同居家族と言っても、息子さんと2人暮らしで、息子さんはほとんど就労で家にいない状態という場合もあります。こういう場合は計画書に必要な理由を記載して、サービスを利用しておられる利用者さんもいらっしゃると思いますが、原則はダメです。ですので、市町村の実地指導などで指摘を受けると、介護報酬返還という形になってしまうことがあります。

■介護保険法は利用しにくい法律

介護保険法の全文は、イエス、ノーどちらの判断をしたらよいのかというような、はっきりしない文章で表現されています。こちらがイエスで理解できるように理由を説明しても、行政がノーと言えば、それはノーになってしまうのです。

高齢者が増え、施設の数や病院の数で生活するには足りません。では、サポートすれば自宅での生活ができるのではないか、高齢者全体を社会で支えましょう、ということで始まった介護保険法ですが、本当に利用しにくい「縛り」のある法律なのです。

■ヘルパーさんにやってもらえないこと

1人暮らしの利用者さんがヘルパーさんを利用した場合においても、介護保険法の縛りがあります。

まず、玄関のドアから門扉までの掃除はできません。掃除は原則居宅内のみですので、枯れ葉が落ちていても掃除をすることはできません。

また、居室内であっても掃除ができない場所はたくさんあります。一般的な日常の掃除以外はできないことになっているのです。具体的には、年末に行うような大掃除、窓ガラス、換気扇の掃除です。極端にいうと電灯の取り換えも原則的にはできません。

医療行為とみなされる介助についてもできない部分があります。湿布を貼る、絆創膏を貼るということも医療行為とみなされるのです。

買物についても、嗜好品については購入できなくなっています。お酒やたばこです。コーヒーも嗜好品に含まれると購入できなくなります。歩行が困難で買物をヘルパーさんに頼んでも、欲しいものが全部そろうかどうかはわからないということなのです。

■「要介護2以上」という縛り

介護保険法では、ベッドや車いすのレンタルについても、要介護2以上の方でないと利用できなくなっています。これも「原則」という縛りがあり、要介護2以下の方でも必要な書類を書けばレンタルできることもあります。

この「できることもある」というような縛りが、介護保険には大変多いのです。

■今後、在宅生活は継続できるのか?

介護保険法は4年に一度改正されます。介護保険法が制定されたころはベッドのレンタルは介護保険の認定が出れば利用できていましたが、だんだんと高齢者が増えるので財政が厳しくなり、どんどん縛りが出てきたというのが現状です。

団塊の世代が75歳の後期高齢者になられた時、もっと財政は厳しくなるのではないでしょうか?介護保険の縛りがきつくなれば、在宅生活は継続できるのか不安でなりません。