ケアマネ(ケアマネージャー)の仕事~具体的な仕事内容について

ガッツポーズ

ケアマネの仕事は文字通り、ケアをマネジメントする仕事です。カタカナにすると分かりにくいかもしれません。日本語で言うと介護支援専門員です。介護を支援する専門職ということです。

では、具体的にケアマネの仕事とはどういう仕事でしょうか? この記事では、ケアマネの仕事について、具体的に説明していきます。

ガッツポーズ

■利用者に必要なサービスを考える
ケアマネ=ケアマネージャーとは、介護支援専門員という名のとおり、介護について支援をする専門職ということです。

実際のケアマネの仕事は、まず、依頼者である利用者さんの現在、困っていること、希望されていること、必要なサービスの内容を踏まえ、面接をします。

依頼は事業所や市町村の地域包括支援センターからくることもありますが、直接利用者さんから電話で依頼がくることもあります。

事業所や地域包括支援センターから依頼がある場合は、具体的に必要なサービスがはっきりしていることが多いですが、直接依頼がある場合は、困っていることなどがクローズアップされていて困ったことばかりで、どうしたいのかがはっきりしていないことが多くあります。

■介護保険の申請代行

介護保険の申請がまだの場合は申請代行も行います。

簡単に申請から認定結果が出るまでの流れを説明します。

認定結果が出るまでに約1か月かかりますが、サービスが必要な場合は申請日からさかのぼって利用ができるので、認定結果が出る前に利用することも可能です。ですので、今すぐにサービス導入が必要なのかどうかを面接しながら確認をしていきます。

認定結果の前に利用ができると言っても、全てのサービスが利用できるわけではありません。通所系のサービスは介護度によって料金が異なりますので、認定結果が出ないと利用できません。すぐに利用が必要となるのは、訪問介護や福祉用具貸与が多いです。

■「アセスメント」で家族の状況を把握する

この面接の時にいろいろと家庭の内情を聞かないといけません。いわゆる「アセスメント」をして、本人、家族の意向を踏まえながら必要なサービスを選択するためです。

初対面で家族の状況など個人的な情報を収集しなければなりませんので、ケアマネの仕事にはコミュニケーション能力が必要になります。

■契約を交わし、事業所を選んでもらう

面接の時に担当になってもらいたいと依頼があれば、契約を交わします。介護保険は全て
契約に基づき行われますので、まず、契約を行います。

面接で必要なサービスが決まれば、サービスを提供してくれる事業所を利用者さんに選んでもらいます。事業所の特徴を知っておき、説明をします。

「初めてなのでわからない」

と言われることが多いのですが、公平中立な立場で業者を選ばないといけないので、あくまで説明をして利用者さんに選んでもらうように促す必要があります。

■サービス担当者会議の開催

事業所が決定したら、事業所へ連絡しサービス提供が可能かどうかの確認を行います。可能であれば、利用者さん、家族、サービス提供事業所と担当ケアマネでサービス担当者会議を開催します。開催の進行もケアマネの仕事です。

利用者さん、家族の意向を伝え、サービス時に必要な事柄をお互いに確認します。

そしてようやくサービスが開始ということになります。

このように面接をすることにより、利用者さんが抱えている課題を把握し、適切なサービスの提供を行います。

■書類の作成

ケアマネの仕事はまだまだあります。面接での内容や利用者さんから聞いた情報、サービス担当者会議の内容等を書面にしなければなりません。

それ以外にも、居宅サービス計画書を作成し、利用者さん、家族の同意を得て、サービス提供事業所に渡します。

また、1か月の予定表を作成します。これはサービス利用票と言って、1か月単位でサービスの内容が書かれたスケジュール表です。作成したら利用者さん、家族へ説明し、印鑑をもらいます。

サービス提供事業所にはサービス提供票を渡します。

■介護保険の給付管理

まだまだ、ケアマネの仕事は続きます。介護保険は介護保険から9~8割支給されますので、その手続きは給付管理と呼ばれるものです。これもケアマネの仕事です。

■モニタリングの実施

そのほかに、月1回利用者さんの居宅を訪問し、利用票の説明、サービス提供の状況、新たな課題がないかどうかなど、モニタリングを行います。これも書面にする必要があります。

■ケアマネの仕事まとめ

今までの流れをまとめますと、ケアマネの仕事とは、
① 相談援助、契約
② 介護保険の申請代行
③ サービス提供事業所との連絡調整
④ 居宅サービス計画書の作成
⑤ 利用者さん宅の訪問、モニタリング
⑥ 必要な書類の作成

になります。

ケアマネが仕事をスムーズにこなすためのスキルとしては、

① コミュニケーション能力
② 情報収集能力
③ 文章作成能力
④ パソコンのスキル

ケアマネの仕事にやりがいを感じる時とは?

指さし

「ケアマネの仕事にやりがいは感じる?」と質問されれば、答えはもちろん「イエス!」です。この記事では、私がこの仕事にやりがいを感じた具体的なエピソードをご紹介します。

指さし

■家族のように寄り添う

現在、1人暮らしの利用者さんはかなり多いです。子供さんがいても、頻回に訪問することも難しいですし、緊急時にも遠方ですぐに来られないことも多いです。ですからいろんな面で頼られることも多く、それに答えるのもケアマネの仕事です。

介護保険を受けようと思うきっかけはやはり体力低下だったり、病気をした後だったりと心身共に元気の無い時です。

利用者さんによって、それぞれ違うのですが、信頼関係が築けると自分の家族のように接してくださります。頑固だった方もアドバイスや助言に耳を傾けてくれるようになったり、嫌がっておられたデイサービスも楽しく参加することができるようになったりします。

ケアマネの仕事はある時は、利用者さんの配偶者になったり、子供になったり、孫になったり、母親的存在になったりすることがあります。自分の人生は一つですが、利用者さんに寄りそうことで利用者さんの人生を一緒に歩んでいる自分がいます。利用者さんがその人らしくいきいきと生活されている姿にこの仕事のやりがいを感じます!

■リハビリを支える

脳梗塞で半身麻痺になった利用者さんなどはこんな状態で生きていても仕方がないと落ち込んでおられることが多いです。前向きにリハビリに励んでおられても、ゴールがあるわけではありませんので、常に前向きというわけにはいきません。リハビリをすれば前の元気な頃に戻れるという期待を持っている時は前向きになっておられるのですが、在宅生活に戻るとリハビリも毎日というわけにはいきませんので、良くなるスピードがぐっと落ちます。

それでも毎日、コツコツとリハビリを行えば、良くなってくるのですが、目に見える程のスピードではないので、やってもよくならないと思ってしまわれるのです。

「頑張れ!頑張れ!」と言うのは簡単なのですが、利用者さん自身は精一杯頑張っておられるので、この「頑張れ!」が苦痛を与えてしまうこともあります。

時には激励したり、時には利用者さんの気持ちを受け入れたりしながら、試行錯誤でいろんなアドバイスをしていくうちに、また、気力を持ちなおし、毎日リハビリに励んで良くなっていかれる姿を見た時に「よっしゃー!」とガッツポーズ! ケアマネの仕事にやりがいを感じる時です。

■在宅で看取る家族のサポート

また、「家で死にたい」とご本人が希望され、家族も本人の気持ちを受け入れられ、在宅で看取りをサポートさせていただいた時は、本当にやりがいを感じました。

私は元職が看護師ですので、これまで病院でたくさんの最期に立ち会ってきました。その経験はケアマネになってからもとても役立っています。

しかし、病院で死ぬということはいろんな機器に囲まれて、苦しい最期が多かったです。高齢者であろうとガン末期の患者さんであっても、家族が手をにぎって最期を迎えるということはなかったです。食べられなくなったら、栄養剤の点滴をするなど必ず医療行為がなされます。医者は最期まで命を助けたいと思うからです。

しかし、人間誰にも死がやってきます。それは自然の摂理です。高齢になり、食べられなくなるということは、体が死の準備を始めているのかもしれません。ご本人が望むのであれば、胃瘻をいれる、点滴をすることを拒否することも選択肢の一つとしていいのではないでしょうか?

その人らしく、生き切る。

この言葉はケアマネになってから意識した言葉です。家族の声を聞き、住み慣れた自宅で風を感じ、匂いを感じながら、最期を迎えることは幸せだと感じました。

それを実現させるのも、ケアマネの仕事。腕の見せ所です。訪問診療をしてくれる主治医や訪問看護師さん、必要であればヘルパーさん、そして、訪問入職、福祉用具担当者と連携をとりながら、サポートをしていきます。

家族は看取りを受け入れたと言っても、利用者さんの状況が変化するにつれ、心が揺れます。その時には全力で家族をサポートします。家族が不安になると利用者さんはもっと不安になられるからです。

そうして自宅で看取りができた時、ご家族は「本当に良かった」と言われます。介護をしていた期間の苦労やストレスはふっとんでいくようです。悲しくないと言えばウソになりますが、やり遂げた、希望を叶えたという充実感のためか、すがすがしい気持ちになられます。

■こちらも感謝の気持ちでいっぱいに

こういう場に立ち会うと、「ありがとう」の言葉を何度も言っていただけるのですが、いつもこちらからも「ありがとうございました」と感謝の気持ちでいっぱいになります。

利用者さんの一生のうちのほんの一瞬を共にしただけなのですが、利用者さんの人生を一緒に歩いた気持ちになります。深夜に呼ばれたり、1日に何度も訪問しなければならなかったり、話を聞いているとなかなか帰ることができなかったり、大変苦労もするのですが、私自身、すがすがしい気持ちなれて、ケアマネの仕事をやっていてよかったとやりがいを実感する瞬間です。

ケアマネが一番苦労していることは?~現役ケアマネの現場から

こちらをご覧ください

どんな仕事をしていても苦労はあるでしょう。

もちろん、ケアマネの仕事にもたくさんの苦労があります。人と人の間に入っての仕事ですから、価値観の違いでなかなかうまく伝わらないことも…。

この記事では現役ケアマネの私が、現場で実際に苦労した事例についてご紹介します。

こちらをご覧ください

■利用者と家族の関係

例えば、利用者さんと家族の意見が合わない時。利用者さんが勝手な理解でものごとをどんどん進めてしまう場合。認知症の独居利用者さん。ショートステイを希望する利用者さん・・・等々、苦労は数えきれないほどです。

具体的にお話しすると、利用者さんと家族の意見が合わない時は、利用者さんの話を山ほど聞いてから、家族さんの話をまた山ほど聞いてから、和解点をさぐらなければいけません。

同居されている場合はやはり面倒を見てもらっている点から利用者さんが歩みよるパターンが多いです。逆に独居の場合は利用者さんが譲らないので、家族さんがあきらめてしまいます。

■施設探しに苦労することも

ショートステイは短期に施設で生活ができるというサービスですが、施設で常時利用されている方がおられ、2ヶ月前から予約ができるのですが、2ヶ月前に電話を入れても空きがない状態です。

歩けるレベルの利用者さんであれば、お泊りデイサービスというお泊りの部分は自費ですので、デイサービスを利用していればかなり希望にそって利用ができます。しかし、寝たきり状態で常時介護が必要な利用者さんについてはなかなか利用ができないので、市外で探さなければならないこともあり、施設探しに苦労します。

■認知症の方の対応

認知症になると、これまでできておられたことが急にできなくなることがあるので、豆に訪問する必要があります。訪問しても短時間では認知症の進行具合がわからないことがあるので、長時間いることもあります。

認知症で、攻撃的な症状を持つ利用者さんですと、家に訪問しても、すぐに「帰ってくれ」オーラを出されるので、機嫌を損なわずに話をすることに苦労します。

しかし、意外だと思われるかもしれませんが、認知症の方でも一人での生活は可能です。薬の飲み忘れや食事を多く食べてしまうなど問題もありますが、特に一人暮らしが長い方はある程度、日常生活がルーチン化されているので、案外トラブルなく生活ができています。

ところが、外部からの訪問者に適当に対応していて契約してしまったり、新聞やテレビを見て通販を頼んでしまったりすることがあります。

■新聞の勧誘や通販の購入をたくさんしてしまう

その中で一番苦労したことは、利用者さんが勝手にものごとをどんどん進めてしまうケースです。ポジティブな利用者さんで、注意をしても全く答えません。全てがプラス思考なので、「私のために言ってくれた」「自分のことを一番大事に思ってくれている」というふうに考えてしまうだけで、具体的にはこちらの注意をきいてくださらないのです。

私たちのように介護サービスに関係している人だけにそのように思われるのなら良いのですが、新聞の勧誘や食品の宅配業者の人などにも同様に好意的に感じてしまうので、何でもすぐに契約してしまいます。その結果、支払いがかさんで、お米だけ、インスタントラーメンという食生活になってしまっていました。

テレビの影響も強く、通販の商品の紹介番組を見ると全部自分に必要と言っているように聞こえるようです。お試しが無料だったり、商品を購入すれば無料で違う商品が一緒にもらえると言うCMなどを見ると、「無料」と言う言葉だけがクローズアップされ、商品を頼んでしまい、本人は無料と思っているので支払いをしないので、弁護士事務所から督促状がきたこともありました。

ゆっくりと時間をかけて説明をしても、自分本位に理解をされてしまい、また申し込んでしまうのです。この時は、まるでいたちごっこのように解約の手続きをしなければならず本当に苦労しました。

ケアマネの仕事は一見、攻撃的な人やネガティブな人に苦労するのではないかと思われると思いますが、このように好意的でポジティブな症状の方に苦労することもあるのです。

高齢者の生活実態~明治、大正、昭和(一桁、二桁)生まれの特徴

祖父母

自分が年老いた時にどんな生活をしているかと考えてみられたことはありますか?

現在、仕事をしている方はリタイアした後に長い1日が待っているということを想像ができるでしょうか?

悠々自適な老後の生活が待っていると思っていますか?

現在の高齢者の方々はどのような生活を送っておられるのでしょうか?

祖父母

この記事では、現在の高齢者の生活実態を年齢別で説明していきます。世代によって、生きてこられた生活環境が違うので年齢別でくくるとわかりやすいです。(もちろん、地主の人や資産家の方は別ですが…)

■明治生まれの方

私が介護に携わる仕事を始めた頃は、まだ明治生まれの方も結構おられ、ご自分で生計をたてている方もおられました。

明治生まれの方にみられる生活実態は、何でもご自分でできることは積極的に行っておられるということです。物が豊富にあった時代ではなく、自分で作るということが普通に行われていたためかもしれません。

3食の食事も自分で調理をされます。スーパーに惣菜が種類も多く販売されていますし、1人分の量を作ろうと思っても、量が多くなってしまいがちですが、スーパーの惣菜を好みません。

また、規則正しい生活を送っておられる方がほとんどでした。何も用事があるわけでもないのですが、朝早く起きて、ふとんをあげ、洗濯をして、庭を掃除して、居室を掃除して・・・と、忙しい主婦のように、毎日同じ作業をこなされていました。

エプロンをきちんとつけて、清潔感があり、とてもいきいきとされている方が多くいらっしゃいました。よく動かれるためか肥満の方も少なかったですし、いつも「ありがとう」という感謝の気持ちを持っておられました。

■明治生まれの方

大正生まれの方は大正時代が短いため、あまり人数はいらっしゃいません。

大正生まれの方には戦争経験者が多く、しまつをするという節約が習慣になっている方が多くおられました。

使えそうな物は大事にとっておかれ、捨てられない。スーパーで買った食材のパッケージなどもたくさん置いておられたり、安売りしていると大量に買い占めておられたりします。

昼間明るい時間、電気はつけず、クーラーも使用されずに下着姿で過ごされていました。出かけるとなるときちんとブラウスに着替えて出かけられるので、街で会うと誰かわからないこともありました。

食事に関しても明治生まれの方と同様で、ほとんどの方が自炊されていました。

明治、大正生まれの方の生活実態はつつましく生活していると言えます。

それでは、今の高齢者の大半である昭和生まれの方の生活実態はどうなのでしょうか?

■昭和一桁代生まれの方

昭和生まれの方でも昭和一桁代の方のそれ以外の方とは少し違いがあります。

昭和一桁代の方にも戦争経験者がおられます。今でいう中学生の年齢の時代に戦争があったのですから、いろんな意味で戦争を経験されています。

この時代の男性の高齢者の方はいも類が苦手の方が多いです。

「もう一生分のいもを食った」

と言われている方もいらっしゃいました。お米が配給になり、いもが大半のおかゆを食べておられたそうです。

戦争の後、今の日本を築くために頑張ってこられたみなさんはいろんな面で蓄えをお持ちの方が多く、普段の生活は質素な生活をされています。しかし、ここぞという時はポンと大金を使われるのも特徴です。

悠々自適な生活を送られている方も多いです。戦争が終わった後、海軍にいたものは医者か教師に簡単になれたとお話ししてくださった方もいらっしゃいました。

■昭和二桁代生まれの方

昭和二桁代の方は戦争の頃に生まれたか、生まれていたとしても幼い頃で、その後日本は高度成長を迎えます。

お金があれば何でも買える時代がやってきます。

女性も仕事を持ち、教育も十分に受けられるようになってきた頃です。

便利なものは利用するなど、合理的に考えておられ、スーパーの惣菜も結構利用されています。しかも、安く買える時間帯、スーパーが閉店する30分前に買物に行って、安くなった惣菜を3日分くらい買い占め、インスタントラーメンを大量に購入し、なるべくお金を節約するようにしておられます。

無料のものはなんでも頂く精神で、健康食品のお店にたくさんの高齢者がならんでおられる状況を見た方も多いのではないでしょうか?(結局高額な商品を購入するように誘導されたりしたとテレビで取り上げられていることもありますが…)

自分の部屋の手の届くところに何でも置いて動かない方や、面倒くさいと言われる方も多いです。テレビを観ながらゴロゴロされている方も多く、そのためか肥満の方も多いです。テレビを観る習慣が若い頃からできているテレビ大好き世代ですから、1日テレビの番をしていると言われていました。

びっくりするほど、ゴミをため込んだり、食器が山積みになっていたりするご家庭も、この時代の方が多いです。

惣菜もいつの物かわからない状況になっている方もいらっしゃいます。この惣菜は危ないのではないかと思っても、「大丈夫、大丈夫」と言って食べておられることもあります。この様な生活状態で生活されていると徐々に免疫力が鍛えられて、ちょっとくらいでは食中毒にはならないようです。人間の体って順応するのですね。すごいです。

現在、年金の支給を受けておられる方で、月に15万円ももらえる方はほんの一握りで、月に10万円程度の方がほとんどです。

この時代の女性の高齢者はお買い物が大好きで、年金をもらった月にいろいろと買ってしまい、年金にない月はインスタントラーメンで過ごされる方もいらっしゃいます。

また、人に物をあげたい病の方も多く、少ないお金から物を買ってあげる方もいらっしゃいますし、「これいつの?」という物をタンスから出してあげようとされる方もいらっしゃいます。

■カップ麺は高齢者の生活必需品に…

今の高齢者の方の大半は年金支給額が減りなおかつ物価上昇のため経済的にはとても苦しい状況におかれていると思います。

栄養のバランスの整った食事をとってほしいと思っても、自分で作るには材料が余る、お弁当を頼めば1日に1000円から1400円かかります。月にすれば、30000円から42000円もかかるのです。月の10万円から光熱費等の経費、家賃を払っておられる方もいらっしゃるのであれば、お弁当を頼むことは無理でしょう。

テレビを観たいので、電気はつけず、できるだけエアコンも我慢しながら、光熱費を削り、売り出しのスーパーへ出向き、安いものだけを買ってためておくなど命がけの生活をされています。

そんな高齢者にとって、80円程度で買えるカップ麺は生活必需品になっています。たった80円でしかもお湯を入れるだけで食べられるわけですから。スーパーで大量にカップ麺を買っておられる高齢者の方を見かけたことはありませんか?

ケアマネと利用者の「家族」の関係~ケアマネが実際に困った家族とは?

手を取り合う

ケアマネの仕事をしている上で、もちろん利用者さんとの関係はもちろん大切ですが、家族との関係も仕事をしていく上では重要です。

時には利用者さんの家族というのはとても厄介な場合があります。失礼な言い方になってしまいましたが、印象に残る家族さんが多かったのも事実です。

この記事では、その中でも強烈に印象に残っている家族についてお話しします。

手を取り合う

■後悔することが一番つらい

例えば、同居して常時介護にあたっている家族は誰よりも利用者さんのことを把握しておられています。正しい知識を取得し、介護に活かしておられる家族が大半です。

しかし稀に持論が正しいと思い込み、突っ走ってしまう家族がおられるのも事実です。

この利用者さんは、寝たきりの利用者さんでした。食事もチューブで経管栄養をしておられる方でしたが、ふとんで寝ておられました。ベッドだとオムツが替えにくいと家族さんは主張されていたのです。

しかし、オムツ交換もベッドを利用することで、介助者の身長に合わせることができますし、ましてこの方は経管栄養をしていたので、注入をする時には坐位になっていただく必要があります。その時は寝室の横にあるリビングまで上体を抱えて引きずり、食卓の椅子まで抱えて座位にしていました。

その方の体型は小太りでしたが、かなりの負担がありました。高齢の家族さんが行うには大変負担になると考えますが、この家族さんは一歩も譲りません。

痰がゴロゴロと出せなかったり、経管栄養の逆流も考えられるので、ベッドを利用して頭元は少しギャッジを上げておくことが必要なのですが、これについても否定され受け入れはしてもらえませんでした。

利用者である旦那様を献身的に介護し、とても大切にされているのですが、なぜ受け入れもらえなかったのか、今でもわかりません。

結局、この利用者さんは朝家族さんが起きた時に亡くなっておられました。痰か逆流した注入液で窒息されたのではないかと考えられます。

こんな時、「もっと説得していれば…」とこの利用者さんに携わったスタッフはみんな後悔をしました。同じ最期を迎えるにしても、この時にこうやっておけば、もっと違う最期が迎えられたのではないかと後悔することがケアマネの仕事をしていて、もっともつらく、落ち込んでしまうことです。

■持論を正しいと思い込みすぎる弊害

また、違う家族さんのお話です。その利用者さんはパーキンソン病でした。ところがご家族はその方に「動かなくなると、動けなくなる」と言って、ほぼ強引にポータブルトイレでの排泄を行っておられました。座位も不安定な状態で足の支持力もなく、手も変形していて、手すりを持つことができない状況なのに、です。

何十年間も介護にあたっておられ、そうすることで今の現状が維持できていると思い込んでおられるのようで、ヘルパーさんを利用された時にも排泄介助を希望されていました。

ポータブルトイレに移動してもオムツに排泄されているので、ほとんど排尿されることはありません。利用者さんご本人もヘルパーさんも大変なだけでした。

このご家族はそれ以外にも、仕事に出て不在といいながら、自宅におられ、ヘルパーさんの介助の仕方にクレームをつけたり、ダメ出ししたりされるのです。長年介護にあたっておられたので、その経験を活かして介護福祉士の資格もとっておられ、気になるのはわかるのですが…

ヘルパーさんには、「インフルエンザが流行するときには、マスクをするように」と注意されるのですが、いつも家族さんがどっかから風邪をもらってきては利用者さんに感染させてしまい、利用者さんの方が重症になっています。他人には注意ができるのに、自分の自己管理については無防備なのです。

そして、室温についても自分の心地良い室温にされるので、利用者さんはいつも大汗をかいておられます。エアコンも壊れていると言って、この暑い夏にケーキ屋さんでケーキの購入時についてくる保冷材を首に巻いて、暑さをしのいでいます。

利用者さんの過ごしやすい環境について説明をしても、一向に聞き入れてもらえません。現在、この利用者さんは家族さんの夏風邪をもらい、肺炎になったため入院されています。

在宅で生活をするにあたっては、病院と違って工夫をしなければならないこともあり、それぞれ自己流でやっておられることも多いです。しかし、持論を正しいと思い込み、他人の意見に耳を傾けることができない家族さんには、私たちケアマネだけでなく、関わっているスタッフ全員が困ってしまうのも事実です。

「介護保険法」の縛り~今後、在宅生活は継続できるのか?

笑顔の介護士

介護保険で訪問介護いわゆるヘルパーさんを利用する場合には、できることとできないことがあります。一人暮らしで生活されている利用者さんにとっては、全て必要なことなのですが、認められていません。国は施設での生活ではなく、自宅での生活を推奨しているのにもかかわらず、介護保険法の縛りによって、施設での生活を勧めているという矛盾が起きているのです。

今回も、具体的な例をあげてご説明していきましょう。

 

笑顔の介護士

■「同居家族」とは?

同居家族がいる家庭では原則、生活援助のサービスは受けられません。いわゆる掃除、洗濯、調理、買物です。

同居家族と言っても、息子さんと2人暮らしで、息子さんはほとんど就労で家にいない状態という場合もあります。こういう場合は計画書に必要な理由を記載して、サービスを利用しておられる利用者さんもいらっしゃると思いますが、原則はダメです。ですので、市町村の実地指導などで指摘を受けると、介護報酬返還という形になってしまうことがあります。

■介護保険法は利用しにくい法律

介護保険法の全文は、イエス、ノーどちらの判断をしたらよいのかというような、はっきりしない文章で表現されています。こちらがイエスで理解できるように理由を説明しても、行政がノーと言えば、それはノーになってしまうのです。

高齢者が増え、施設の数や病院の数で生活するには足りません。では、サポートすれば自宅での生活ができるのではないか、高齢者全体を社会で支えましょう、ということで始まった介護保険法ですが、本当に利用しにくい「縛り」のある法律なのです。

■ヘルパーさんにやってもらえないこと

1人暮らしの利用者さんがヘルパーさんを利用した場合においても、介護保険法の縛りがあります。

まず、玄関のドアから門扉までの掃除はできません。掃除は原則居宅内のみですので、枯れ葉が落ちていても掃除をすることはできません。

また、居室内であっても掃除ができない場所はたくさんあります。一般的な日常の掃除以外はできないことになっているのです。具体的には、年末に行うような大掃除、窓ガラス、換気扇の掃除です。極端にいうと電灯の取り換えも原則的にはできません。

医療行為とみなされる介助についてもできない部分があります。湿布を貼る、絆創膏を貼るということも医療行為とみなされるのです。

買物についても、嗜好品については購入できなくなっています。お酒やたばこです。コーヒーも嗜好品に含まれると購入できなくなります。歩行が困難で買物をヘルパーさんに頼んでも、欲しいものが全部そろうかどうかはわからないということなのです。

■「要介護2以上」という縛り

介護保険法では、ベッドや車いすのレンタルについても、要介護2以上の方でないと利用できなくなっています。これも「原則」という縛りがあり、要介護2以下の方でも必要な書類を書けばレンタルできることもあります。

この「できることもある」というような縛りが、介護保険には大変多いのです。

■今後、在宅生活は継続できるのか?

介護保険法は4年に一度改正されます。介護保険法が制定されたころはベッドのレンタルは介護保険の認定が出れば利用できていましたが、だんだんと高齢者が増えるので財政が厳しくなり、どんどん縛りが出てきたというのが現状です。

団塊の世代が75歳の後期高齢者になられた時、もっと財政は厳しくなるのではないでしょうか?介護保険の縛りがきつくなれば、在宅生活は継続できるのか不安でなりません。

遠慮せず、「介護保険サービス」を利用しよう!

応援する介護士

少ない年金の中から徴収されている介護保険料。自分のために蓄えているのですから、自分のためにぜひ利用したいものです。

元気で過ごせれば、必要がありませんが、ちょっと無理して行っていることが大参事になることもあります。快適な在宅生活が継続できるように、ぜひ遠慮せず「介護保険サービス」を利用しましょう!

応援する介護士

■介護保険サービスを利用するきっかけ

歩けるし、自分のことも大変だけどできるから介護保険は受けられないと思っておられる方も結構おられます。しかし、実際は見ていて危ないと思うようなことを行っておられる高齢者の方はたくさんおられます。

家族と同居されている方であれば、少しのことでもお願いするけれど、独居の方にとっては頼む方がおられないので、時間がかかっても自分でやるしかないし、できなければあきらめるしかありません。

そんな時は介護保険を思い出してください。介護保険は一度受けたらずっと継続しなければならないというものではありません。ですので、必要な時に、一時的に利用するという軽い気持ちで利用されても良いのです。

■介護保険サービスの一例

介護保険にはいろいろな介護サービスがあります。

例えば、歩けるけれど最近筋力が低下して、少しの段差でもつまずくようになったという場合には、手すりを取り付けたり、段差を解消することができる住宅改修という介護保険サービスがあります。

また、運動したいけれど、1人で散歩をするのは不安になってきた時には、通所リハビリ、リハビリ型通所介護という介護保険サービスがあります。

元気だけれど、気持ちが不安というだけでは介護保険サービスを受けることはできませんが、利用してみたいと思われる介護保険サービスはあるので、ぜひ利用していただきたいと思います。

■介護保険「外」のサービスいろいろ

また、介護保険サービスだけでなく、各市町村には高齢者向けの介護保険外のサービスもいろいろとあります。

例えば、普段の掃除はできるけど、換気扇など大掃除ができない場合は、介護保険サービスの訪問介護よりは金額が上がりますが、ヘルパーさんをお願いすることができます。

このサービスは介護保険サービスではありませんので縛りはありません。庭の掃除もしてもらえますし、窓ガラスだって拭いてもらえます。

健康増進課などでは高齢者が利用できるプールがある市町村もあります、年に数回ですが、頭の体操ができる講座を開催している市町村もあります。

市町村にある図書館も今では改装されて、過ごしやすい空間になっています。これについては高齢者だからと言う利点はないかもしれませんが…

住民票をもらいにいく、何かの申請をするだけに利用しておられた行政機関も少しずつ、高齢者に優しい空間を作っている施設もあります。元気な時から情報を収集するためにも体を動かす機会にも、定期的に通われるとよいかもしれません。

■日々の情報収集を!

介護保険サービスを賢く使う術としては、とにかく、情報収集をしておくことが大切です。そうしておけば、自分の起こる状況に素早く対応ができ、状況を悪化させることないでしょう。

ケアマネが考える「最高の終の棲家(ついのすみか)」とは?

病室

あなたが思う「終の棲家(ついのすみか)」はどこですか?

家ですか?

病院ですか?

そもそもそんなことを考えたことがありませんか?

日本人はあまり死に対して考える人種ではなく、死=悪い事のイメージがあると認識しています。

しかし、必ずだれにも死は訪れるのです。

最高な人生の締めくくりをするには、どこで最期を迎えるのがよいのでしょうか?

 

病室

■病院を「終の棲家」するということ

現在、一般的な「終の棲家」は病院です。今後は施設に変っていくのでしょうか?今のところは、施設に入所していても、最期は病院という方が多いのが現実です。

看護師として勤務していた時、病院で何度も看取りをしてきました。あらゆる機器に包まれ、機器の音だけが聞こえる暗い病室で、眠れない長い夜を過ごされていたのではないかと思うことがあります。

食事は欲しくなくても時間通りに出てくるし、時間になったら下げられてしまう。眠い時にも検温だのなんだのと起こされる環境は、安らぐ場所でしょうか?

高齢になり、食事が食べらなれなくなることは死の準備だと考えておられる方もいらっしゃいます。

昔は医療が進んでおらず、また、医療施設があまりない田舎では無理な治療はせずに自然にまかせると言った食べたい時に食べたい物を食べ、最期を迎えておられました。

しかし、今は食べられなくなったら、高カロリーの点滴もありますし、胃瘻もあります。自分の意思に反して栄養が入れられるというわけです。

しかし、不老不死の薬があるわけでなく、最期は必ずやってくるのです。

点滴を入れることによって、体はむくみ、分泌物が増えるため、ゴロゴロと出し切れない痰を吸引チューブで吸引し…。そんな騒がしい環境は、個人的には最高の「終の棲家」とは決して言えないと思います。

最期だけではありません。やはり、住み慣れた環境が一番心地よい空間なのです。

■どこまでいっても施設は施設

介護保険法が出来てから、ホテルのような素晴らしい施設ができています。しかし、どこまでいっても施設は施設です。家にはかないません。

窓から見える見慣れた景色や聞こえてくる街の音(今では風流な音ではなく、少し騒がしい音かもしれませんが…)。気分の良い時には、好きだった本を読んだり、夜中に眠れない時はテレビを観たり、自分がしたい自分らしい生活が過ごせるのはやはり家だけです。

最期を迎える最高の終の棲家は、やはり「家」ではないでしょうか?

■「家」で最期を迎えるには?

この最高の終の棲家で最期を迎えるには、かなり準備が必要です。家族の協力も不可欠ですし、介護サービスも使う必要が出てくるでしょう。

一人暮らしの方はかなりハードルが高く、誰もいない時はどうするのかと調整しなければいけないこともあります。

しかし、願いは叶います。

今までも家で死にたいと懇願し、終の棲家を家と決めて、最期を迎えた方を何度も見てきました。

一人暮らしの方もいらっしゃいましたが、みな誰もいない時に亡くなったことは不思議ですが、一度もありません。

死にざまは生きざまです。

家で死ぬと心に決めた潔さが死にざまに反映するのか、素晴らしい潔さを見てきました。

■自分なりの「最高の終の棲家」を求めて

自分が自分らしく生き切るためにどこを終の棲家にするのかを、一度しっかり考えてみられてはいかかでしょうか?

一人で不安で病院が良いと思う方もいらっしゃるでしょう。それならそれでいいのです。答えは10人おられれば10通りあるはずです。

最初から無理だと考えずに、ご自身の「最高の終の棲家」を見つけてください。

高齢者(介護を受ける立場)になる前にしておくべき「心の準備」とは?

介護イメージ

誰でも平等に年をとります。ピンピンころりと最期を迎えたいと皆が思うでしょう。

しかし、そううまく行かないのが人生です。

イライラして愚痴をこぼして送る人生より、楽しい人生を過ごせるように高齢者になる前に心の準備をしておきませんか?

介護イメージ

■「介護される側」になる難しさ

今まで家長として全て自分に決定権があり、家族を支えてきた男性の利用者さんにとって、お世話になるということは屈辱的なことと考えられる方がいらっしゃいます。ご自分でできなくなっているという現実に背を向けてしまって、自分の殻に閉じこもり、家族に相談したりお願いしたりするのではなく、親の面倒を看るのは当たり前と言わんばかりに命令をするのです。

してもらって当たり前なのでもちろん感謝の言葉もありません。

独立した子供さんは、それぞれご自分の生活があります。同居されているのであれば、ご自分達の生活の一部として介護をすることは可能でしょうが、別居されている中でご自分の生活を支えながら、親の生活も支えるということは並大抵のことではありません。

現在、共働きの家庭が多いですし、仕事、家事、育児と休む暇もない中、その上に親の介護です。

子供さん達も親の面倒を看るのが嫌というわけではないでしょう。少しは介護が必要に
なると心の準備もされているでしょう。しかし、毎日の生活に追われる中で余裕がないのです。身体も心も。

看てもらう側の利用者さんが感謝の気持ちを持って接していれば、介護する側の子供さん達の手助けしようという気持ちのモチベーションも上がるのでしょうが、実際には感謝の気持ちを伝えることをしないため(本当は感謝されているのですが)、家族の関係がぎすぎすしてしまいます。

では、こうならないためにはどうしたらよいのでしょうか?

■感謝の気持ちと、受け入れる姿勢を

これは高齢者というより人としてかもしれませんが、感謝の気持ちは常に持っていたいものです。(このように偉そうなことを書いている私自身も愚痴ったりすることは日常茶飯事ですが…)

そして、現状を客観的に見る心の余裕が必要です。

年齢を重ねるごとにいろんな場面で老いを感じてくるでしょう。避けたくても避けられない現実です。その現実に背を向けるのではなく、受け入れる姿勢が大切です。受け入れてしまえば、結構気持ちが軽くなります。

■年をとることを楽しむ

人それぞれ価値観があって、自分で楽しめることでも、他の人には楽しくないこともあります。物は考えようで、いろんな角度から見てみると違う景色が見えてくるということなのです。

老いを楽しみ、介護を受けるようになったら、いろんな人との新しい出会いがあると思えば、素敵なことだと思いませんか?

ご自分が築いてこられた人生を否定するのではなく、また肯定するのでもなく、楽しむことが大切だと思うのです。

■ヘルパーさんとの付き合い方

ヘルパーさんを利用していてクレームが出る時によく口にされるのが、「普通はこうする」ということです。この「普通」ということはたぶん一般的にという意味で使っておられるのですが、これは自分にとっての一般的なもので、他人にも一般的かというとそうではないのです。

ヘルパーさんは介護のプロですが、自分のやり方を主張することはありません。自分のやり方でやってほしい時は、具体的なやり方をヘルパーさんに初めから説明しておけば、その通りにやってもらえます。ヘルパーさんも自分のやり方以外の方法を知ることができて、参考になるかもしれません。

いちいち言うことが面倒であれば、やってほしくないことややり方などを書いたメモを準備しておくと言いにくいことも伝えることができます。

また、「あなたはどうやっているの?」と聞くことができれば、今までの自分のやり方より、
いい方法かもしれません。

■「介護される側」になる心の準備を

自分の生活スペースの中に他人を入れるということに抵抗を感じないわけではありませ
せんが、老いてしまった自分をなさけなく思ってしまうこともあるでしょう。

しかし、仕事をリタイアした後に、人と出会える機会は自分で行動しない限り、ほとんど
ありません。新しい出会いはきっと新しい風を心に届けてくれます。全ては心の持ちようなのです。それをコントロールしているのは自分自身です。

高齢者になる前に、いらいらせずに楽しむ生活を送れるように、徐々に「介護される側」になる時の心の準備をしておきましょう。

現役ケアマネから、ケアマネを目指している人へのアドバイスとは?

手を取る

最後に、現役ケアマネから、ケアマネを目指している人へのアドバイスがあるとすればどのようなことか、ここに綴ってみたいと思います。

ケアマネの仕事はやればやるほど、どんどん仕事が出てくるような仕事です。どこかで割り切って仕事をしないと心身ともに疲れてしまい、燃え尽き症候群になる可能性もあります。しかし、その反面とてもやりがいがある仕事でもあります。

手を取る

■ケアマネになって感じた「喪失感」

私はケアマネになる前は看護師として病院勤務をしておりました。病院勤務の間には訪問看護の経験もさせてもらいました。その延長線上に現在のケアマネ業があったわけですが、私がケアマネになってから5年後くらいに、仕事に対する気持ちは変っていないのに、なぜか喪失感を感じるようになりました。

その原因は病院の患者さんと看護師という関係より、利用者さんとケアマネという関係がより近い関係のため、利用者さんが亡くなった時の喪失感が思った以上に心に響いていたのです。元気でおられる利用者さんともいつか必ずお別れすることになるとむなしくなってしまったのです。

病院でもたくさん看取ってきましたし、自分自身がこんな気持ちになるとは思っていませんでした。比較的明るく楽観的な私はストレスなく、どこでもするするとすり抜けながら、楽しく仕事をしてきました。こんな明るい私が少しうつになってしまったわけです。

明るく元気なほど、うつになってしまうと落ち込みがはげしいと言いますが、なかなかモチベーションを上げることができなくなりました。

■利用者さんはお客様である

また、患者さんと看護師という立場と利用者さんとケアマネという立場には少し関係性が違うということも一つの原因だったと思います。

病院はサービス業ではありますが、患者さんは診てもらっているという気持ちがあるので、ある意味弱者になります。なので看護師さんは結構上から目線で話をすることがあります。
それが許されるのです。私自身も病院にいる時には感じませんでした。

病院で勤務している時に患者さんをお客さんという意識を持ちませんでしたが、ケアマネになった時に利用者さんはお客さんなのだと実感をしました。

利用者さんはお客様であって、患者さんより近い存在でもある。

この状況に心がついていかなかったのです。

■感謝されないこともあるという現実に理解を

これからケアマネを目指そうという方。特にやる気がみなぎっている方にこそ、アドバイスしたいことがあります。

仕事を仕事として割り切れることが自分にできるか、まずは考えてみてください。

熱い気持ちがある程、利用者さんの生活に入りこんでしまい、ケアマネの仕事はこれでもかこれでもかと沸いて出てきます。体力的にも負担になりますが、利用者さんのためなら頑張ることができるでしょう。

しかし、感謝をされないこともあるという現実を事前に理解しておいてください。誰もが感謝をされるために仕事をしているわけではないのでしょうが、やはり「ありがとう」の言葉を言われて不快に思う方はいないでしょう。良かったと喜んでもらえるだけで、やってよかったとやりがいを感じ、明日も頑張ろうと思えるものです。

でも、時には感謝されないだけでなく、クレームとして投げつけられることもあります。こちらとしては全力で取り組んでいたとしても、利用者さんが満足しなければ、頑張った工程は評価されないのです。

看護師をしている時にはこのような理不尽に思うことはありませんでした。病院勤務をしているときは、何かするたびに感謝の言葉を聞いていたのです。

■自分自身が後悔をしない仕事をする

では、そのような状況を、私はどう乗り切ったか?

それは、自分自身が後悔をしない仕事をすると決めたのです。

最期を迎えることになったとしても、あの時自分がこうしておけばという後悔をしないように、自分のために仕事をすることにしたのです。

クレームをつけられようが、自分の最善の策をした結果なのですから、自分はやれるだけのことはやったのだと充実感を感じることができました。その結果、15年近く今もケアマネの仕事を続けていられるだと自負しています。

■ケアマネに本当に必要なコミュニケーション力とは?

そして、ケアマネを目指しているけれど、実はコミュニケーションが苦手なんです…という方にアドバイスです。

この仕事は人と話してなんぼという程、いろんな業種の方との交流や利用者さんと家族、関係者との交流があります。それがないと話が進まないと言ってもいいくらいです。

営業職のようにぐいぐいと押して押してという話術は必要ではありませんが、説明することがかなり多く、また介護保険法など小難しいことがたくさんあります。一度説明しても理解してもらえないこともありますし、取り違いをして誤解されていることもあります。

こう書いてしまうと、「私にはケアマネの仕事は無理だ!」と思われるかもしれません。しかし、ケアマネの仕事は話すことも大事ですが、もっと大事なことがあります。

それは「聞き出すこと」です。

利用者さんの思いをうまく聞き出すこと、本音を聞き出すことが大切なのです。自分で話すことが苦手な方はきっと聞き上手だと思います。その長所を有効に使えば、きっと素晴らしいケアマネになれると思います。

■私がケアマネを続けられている理由

私は病院勤務中に訪問看護という部署に異動になり、ケアマネになりました。ですので、実際、ケアマネになりたいと言ってなったわけでありません。必要に迫られただけです。

そんな私からのアドバイスがどこまで参考になるかは不安ですが、私が看護師に戻らず、ケアマネを続けているのは、看護師ではできなかった1対1の関係がとても心地よかったからだと思います。

病棟勤務では話を聞いてあげたくても、ナースコールがあれば、話を途中で止めて業務をしなければなりません。日々業務に追われて、患者さんの心に寄りそうことはできませんでした。知識や技術の頭でっかちで、何の役にも立たなかったのではないかと思うこともありました。

ケアマネでも知識は必要ですが、人としての関わりが何より大切です。人は人に傷つけられることもありますが、人は人からしか幸せを感じることはできないと、ケアマネの仕事を始めて強く感じています。

ケアマネを目指している皆さん、ぜひ頑張ってください。